シーグラスって何?
工事中です。内容は随時更新します。

 1. シーグラス(海草)って何?
 2. 海草藻場って何?
 3. 日本の海草


1. シーグラスって何?

シーグラスとはseagrass、「海の草」すなわち「海草」のことです。「海藻」「海草」どちらも「かいそう」と読みますが、植物分類学的には全くの別物です。このため、「海草」は「うみくさ」と読むことで区別を計っています。この先、 「海草」は「うみくさ」と読んで下さい。

海草は、陸上植物と同じ「単子葉の維管束植物」です。分類学的には、イネなどに近い仲間です。海藻との違いは、「根がある」「維管束がある」「めしべとおしべのある花が咲き、実がなってタネができる」という点です。陸上植物は、原始地球の海洋に漂っていた植物プランクトンが陸上に適応して進化・繁栄したグループですが、海草は、これらの陸上植物の一部が再び海に適応した、「海に里帰りした」植物です。
TOPへ

2. 海草藻場って何?

海草や海藻が混ざって生育している環境を「海草藻場(うみくさもば)」または「アマモ場」と呼びます。海草は「根を張る」植物であることから、波当たりの穏やかな内湾の砂泥底に生育します。(Phillospadix属のみは岩の上に根を張るため、岩礁に生育します。)また、光合成のための光を必要とすることから、生育している場所は水深の浅い、十分に光の得られる環境になります。

海草が生育すると、そこには「海の草原」とも言うべき環境が生まれます。この草原は、不安定で動きやすい海底の砂や泥を安定化させ、多くの生物にとっての隠れ家となります。
TOPへ

3. 日本の海草

日本国内では、現在、以下の16種(+1種?)が確認されています。このうち、Halodule属と Halophila属に関しては、分類学者の間で見解が分かれており、分類が混乱した状況です(新しい情報が入り次第updateします)。学名が赤字になっている種は、日本沿岸にしか分布していない「固有種」です。

 和名  学名  分布域
 トチカガミ科 HYDROCHARITACEAE
 ウミショウブ   Enhalus acoroides  琉球列島
 リュウキュウスガモ  Thalassia hemprichii  琉球列島
 ヒメウミヒルモ  Halophila decipiens  琉球列島
 ウミヒルモ  Halophila ovalis  琉球列島〜東北地方
 ホソウミヒルモ  Halophila okinawaensis  琉球列島(未記載)
 ベニアマモ科 CYMODOCEAE
 ベニアマモ  Cymodocea rotundata  琉球列島
 リュウキュウアマモ  Cymodocea serrulata  琉球地方
 マツバウミジグサ  Halodule pinifolia  琉球列島
 ウミジグサ  Halodule uninervis  琉球列島
 ボウバアマモ  Syringodium isoetifolium  琉球地方
 アマモ科 ZOSTERACEAE
 スガモ  Phyllospadix iwatensis  日本列島北岸沿い
 エビアマモ  Phyllospadix japonicus  日本列島南岸沿い
 オオアマモ  Zostera asiatica  北海道厚岸湾・岩手県船越湾
 スゲアマモ  Zostera caespitosa  本州北部〜北海道
 タチアマモ  Zostera caulescens  本州北部
 コアマモ  Zostera japonica  琉球列島〜北海道
 アマモ  Zostera marina  北半球温帯〜亜寒帯全域
 相生, 1998より改変
TOPへ


リュウキュウスガモ  Thalassia hemprichii

琉球 列島でもっとも普通にみられる 海草です。干上がるような潮間帯から水深数メートルまでの砂〜砂礫底に広く分 布します。葉の幅は5mm〜12mm程度で、葉の長さも数cmから20cmまでバリエーショ ンに富んでいます。このため、葉をみただけでは他の種類と区別がつきにくいで す。
砂を 手で払ってやり、葉の付け根の鞘(「葉鞘(ようしょう)」といいます)と地下 茎を露出させると、確実に見分けることができます。リュウキュウスガモの葉鞘 には、枯れた葉の葉鞘が茶色い繊維となってたくさん残っています。また、地下 茎にたくさんの節目があり、節ごとに茶色い皮のようなものがついています。
リュウキュウスガモの花です。中央に2つ、白く開いているのがわか るでしょうか。
受粉すると雌花が結実します。中央の丸いのがリュウキュウスガモの 実です。中にタネが数個入っています。
タネから芽生えたばかりのリュウキュウスガモ。
分類表へ


ウミヒルモ  Halophila ovalis

琉球 列島から青森まで広く分布。干上がるような潮間帯から水深数メートルまでの砂 地に生育します。楕円形の葉が2枚ずつ株立ちするため、「双葉(双子葉植物)」 と間違われがちですが、これも単子葉植物です。ウミヒルモは、台風などででき た裸地に最初に根付く「先駆種(pioneer species)」であることが知られていま す。ウミヒルモによって安定化した底質に、他の優占種が徐々に侵入し、置き換 わっていきます。

ウミヒルモはジュゴンがエサとしてもっとも好む種類です。 オーストラリアでは、ジュゴンが定期的にエサとして食べ続けることによって裸 地ができ、ウミヒルモの群落が維持されています。
ウミヒルモの雄花です。とても小さいので、水中では見つけにくいで す。ウミヒルモは、イチョウなどと同じ雌雄異体で、ひとつの地下茎に連なった 株には雄花か雌花のどちらかしか咲きません。
分類表へ


ホソウミヒルモ  Halophila okinawaensis

大浦湾の水深10m前後の砂泥底で見つかりました。現在、新種である かどうかの検討中です。
分類表へ


ベニアマモ  Cymodocea rotundata

葉が赤茶色になることがあるため、この和名がつきました。潮間帯か などの比較的水深の浅い場所に生育します。葉の幅は5〜6mmで、葉の長さは数cm から20cm程度です。同じ方向にスッと伸びたまとまった群落をつくること、葉の 先端がやや平らなことで他の種と区別できます。
分類表へ


リュウキュウアマモ  Cymodocea serrulata

葉の幅は12mm程度、葉の先端はのこぎりのようにギザギザになってい ます。葉の長さは15cm前後で、赤茶色の横縞が入る場合もあります。干上がるよ うな浅い場所には生育しません。
リュウキュウスガモと間違えやすいのですが、葉の付け根の鞘(葉鞘) が逆三角形で、リュウキュウスガモと違って古い繊維が残らないこと、地下茎に 節がないことで明確に区別することができます。
分類表へ


マツバウミジグサ  Halodule pinifolia

葉の幅は数mmで、名前の通り「松葉」のように細いです。浅い場所に 生育します。ウミジグサと同種かどうかで現在分類が検討されています。
浅い場所にまとまった群落を作ることもあります。
分類表へ


ウミジグサ  Halodule uninervis

他の種類に混ざって生えていることが多く、見分けにくい種類です。 葉の幅は 5mm前後で、先端が王冠のような形になること、葉の中央にはっきりし た葉脈が入ることが特徴です。マツバウミジグサと同種かどうかで現在分類が検 討されています。
分類表へ


ボウバアマモ  Syringodium isoetifolium

「ボウバ」は「棒葉」で、名前の通り葉が円柱状であることから簡単 に区別できます。琉球地方では、リュウキュウスガモに次いで多く生育している 種類です。
中央、短い葉がたくさん集まって扇状になっているように見えるのが 花です。
分類表へ


コアマモ  Zostera japonica

琉球列島から北海道まで広く分布します。河口域など、塩分濃度が低 く浅い泥っぽい場所に生育します。葉の幅は2mmほどで、琉球地方ではマツバウミ ジグサなどと間違えやすいのですが、葉脈があみだくじのようになっていること、 直立地下茎が無いことで区別できます。
中央が花です。草丈は20cm足らずです。
分類表へ
TOPへ

文章・画像の無断転載はご遠慮下さい。
Copyrights @ www.seagrasswatchjapan.com All rights reserved.